Mの男、Sの男

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Mの男、Sの男

Mとはマゾヒズムの事だ。 Sとはサディズムの事だ。   Mは罪を犯した。 Mは罰を受ける。 人、物、現象、何かにより自分を虐げさせる。 それは何故? Mの心には罪悪感があった。 しかしその心は、罪の心は、罰を受ける事で薄らぐ… 精神的肉体的に傷を刻む事により、心の中の罪悪感は感じなくなった… だが、罪悪感を癒せるのは時間のみ… 所詮Mは、心の中の罪の痛みを、違う痛みで誤魔化しているにすぎなかった…   Sは憤っていた。 Sは人へ、物へ、現象へ、何かに憤っていた。 だが…それは所詮、自分の心にある罪悪感を、怒りで塗り潰すためだ… 故にSは、逆恨み逆ギレをする。 確かにある、心の中の罪を、認めない為に… 自分の非、他のモノの非、 それには確かに大小は存在するものの、覗き込む人間の角度によって、見える大きさは区々だ… 故に、Sの心に僅かでも罪の心があれば、Sは荒れる。 自分の罪を塗り潰す為に、 また…誤魔化す…   創作者は考える…一番良いのは、自分の罪を心底許し、償うべき相手に、的確な量を償う事…ではないだろうか? 創作者は、SでもMでもない人生を歩みたい…
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