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今日は彼の三回忌…
菜々子は彼のお墓の前に居た…
雨の降るなか傘も持たず…
まるで雨で涙を隠すかのように濡れていた…
そして菜々子は彼のお墓に話し掛ける
『あなたが逝ってから…もう2年ね…』
彼のお墓の前に花束を置き手を合わせた…
『どうして…私を1人にするのよ…』
菜々子の目から涙がこぼれる
雨ではない…菜々子の涙…
『私…まだ信じられない…
私…1人じゃ前に進めないよ…』
菜々子は俯いて泣いた…
菜々子に降り続ける雨が…
そっと遮られた…
菜々子が振り返ると
菜々子にそっと傘を指し掛ける
達也が立っていた…
達也はお墓に話し掛ける…
『お前…まだ、こいつ泣かすの…?
いつまで悲しませるの…?』
菜々子は黙って達也を見た…
達也は菜々子を気にせず話を続けた…
『お前…こいつ幸せに出来んのかよっ…
出来ねーよな…お前には…』
『俺は…俺はこいつ…幸せに出来る…
お前が出来なかった事してあげれる…』
菜々子は達也の思いがけない言葉に驚く…
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