不良とヤンキーの物語(短編小説)

第二章

「勉強しろだとか、漫画ばっかり読むなだとか、挙げ句の果てには言い訳するな、だぜ」

やってらんねぇよ、という顔をして、杉村はイライラしていた。

大人としては教育と保護のつもりでも、俺らからすれば命令と監視なのだ。

命令され、監視されて、夢を持てと言われる。

そんな理不尽な道理は決して納得できるものではなかった。

そんな杉村の苦労してきた気持ちを、僕は痛いほどよく分かる。

そういえば杉村は北海道旅行から帰ってきたとき、真っ先に僕に電話を掛けてきた。

「いきなり電話して悪りぃな。今からちょっと遊びたいんだけどよ、ひとりじゃ盛り上がんねぇから、アキヨシお前、ちょっと付き合ってくんねぇか？」

杉村は少し寂しそうな声でそう言ったのだ。

僕は即オッケーをして、電話を切った。