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「杉村くんと、アキヨシくん。久しぶりね」
という声が後ろから聞こえた。
振り返ると、野原が微笑んでいた。
僕は驚いて「おぉ」としか言えなかった。
「暑いですね」
と野原が言った。
「そうっすね」
と僕は答えた。
「お変わりありませんか?」
と野原。
「お変わりありませんよ」
と僕。
となりでニヤニヤ笑っている杉村が、
「お前ら、年取ったなぁ」
と言った。
若年寄りを気取ることが、今の僕らのブームだった。
野原を呼んだのは杉村だった。
野原は友達を連れてきていた。名前は「ユイ」といった。
ユイの長くて細いポニーテールはサラサラしていて、少しだけ栗色が混ざった黒髪だった。
背も小さく、やせ細っていた。
一目見て、ユイは僕の好みではなかった。
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