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十年ほど前、不良仲間は僕を含めて五人いた。
みんな気のいいヤツらで、屈託もなく話す。
みんな十五歳の中学生だった。
中学生にはタバコはキツい。
法律違反だろうが、そんなことは関係ない。
みんな気分が悪そうな顔をしながら、無口になってヤニクラに耐えた。
吐きそうな気分を紛らしながら、僕らは短くなったタバコを指で弾き飛ばし、稲刈りを終えた田んぼに捨てた。
誰からともなく、どれだけ遠くに飛ばせるか、みんなで競い合った。
夕暮れの空が、僕らの影を長く伸ばしていた。
いつも頭に思い浮かぶのは、尾崎豊の声だった。
「十五の夜」と「卒業」が、いつも頭の中で歌っていた。
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