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「これはねぇ、昨日私が立ち寄った屋台で知り合った仙人に頂いたものよ」
「「は?」」
俺と礼は揃って声をあげた。いや、この話を聞いて何の反応も示さない奴がいたら是非俺の所へ連れてきて欲しい。
聞いたか?仙人だぞ仙人。現代にそんな超人がいるなんて聞いたことがない。
姉は俺達の反応なんて無視して話を進める。
「『私には借金があって困ってるんです』って言ったらその仙人が、『これに金色の座布団のありかが書いてあるから探すといい。きっとあんたの願いが叶うよ』って言って私にこれをくれたのよ」
なにやら得意げに姉は言っているが、俺達は物凄く疑っていた。まず、その仙人という存在も怪しいし、その巻物もかなり胡散臭い。知らない人から物をもらっちゃいけませんてこの姉は幼い頃に学ばなかったのだろうか。そのうち30万円の布団なんかを買ってこないか非常に心配である。
「とにかく、この巻物をよく読んでさっさと金色の座布団を探してきなさい。見つかるまで帰って来ちゃ駄目よ」
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