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「しっかし、なんだなー」
「なんだよ急に」
「お前のそれ、特異体質っていうの?変わんないやなー」
今、此所で言うことか?と思い、それからそれがどうでもいい反論であることに気付いて言わずに飲み込んだ。
バカバカしい……。
帰りの電車の中。
誰も座っていない反対側の座席上の車窓から町並みを眺めて、ナーバスになる。
綺麗な夕日の注ぐ町を見つつその会話は合わないと思うのだが…。
「モテ期ってか…ヤン期?」
そんな俺の気持ちを汲み取っていないのか、はたまた汲み取りつつ無視なのか水輝は話を進める。
正直どーでもいーよソレ。
体質やらヤン期うんぬん以前に、俺はそういう生き物なんだし。
「…いわば一つの個性?」
「……さよけ」
「んでもっさー、それ不便とか思わにーの?」
びくっ、と水輝と同時に少し飛び上がる。
突飛すぎるだろうよ、流石に隣の席の人間が会話に入るってのは。
「までも、それでいーとお思いになりけるならいーんでない?それはそれで」
「「…………………」」
どゆこと?
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