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「っと…俺は四組だ」
校舎前に有る掲示板。
水輝がそこに貼られた表を眺めながら言う。…この学校数字なんだ。アルファベットだと思ってた。
さてこっちは……と。
「同じクラスならいいよな……えと……あ!…」
「どした?」
「…一緒。四組だ」
八重坂海大の名前は、四組の出席番号で言う一番最後、表の一番下に明記されていた。
「おー。良かったじゃん」
「そうだな。宿題見せてもらえる」
そんな理由かよ、と水輝の笑いが少し崩れる。
「前は宿題すらやる時間なかったからな……」
だからといって見て良い理由にはならないし、そもそもそんな生活とはおさらばの筈だから関係無いのだが、つい考えてしまう。
「…そういえばそうだったな。まぁ良いさ、とりあえず教室行こうぜ」
そう言って水輝は新校舎の階段を上って行く。一年の教室は此所の一番上、四階だった筈だ。
その背中を追いかけるように、例に違わず俺は階段を上り始める。
「あぁ、そうだな…………っ?!…」
「どうした?海大」
「いや……激しい悪寒が…」
視線を感じたような気がしたのだ。舐めるように、体の隅から隅まで。
気のせい…だと思いたい。
「…入学早々おかしな事言うなよ、守る側にもなってみろ」
「そう…だな。悪い…」
視線を振り切るように階段を足早に駆け上がる。
上りきって四階に着いても、まだ鳥肌は立ったままだった。
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