不安定な第一章

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靴を新品の上靴に履き替えると、俺は水輝に前を歩かせて盾にしながら四組の教室を目指した。 リノリウムの床が二人分の不思議な音を奏でる。 「…お前ってホント小心者だよな」 振り向かずに水輝が言った。 …仕方ないだろうよ。それだけの事があったんだから。 「なんとでも言うがいいさ」 程無くして一年四組に到達する。 教壇側の入口では数人の女生徒が集まって会話をしていた。…なんかあまり中学と変わらんな。 その反対側の扉へと女子近くを通らないように回り込み、教室内へと足を踏み入れる。 「なぁ海大、この盾役意味あんの?」 どうだかな。 経験上『何かしら関係をつくった女子』が〇〇〇〇(考えたくも無い)な訳だから、知り合わなければ安全でも有るかもしれない。 まぁそんな判定知った事では無いが。 黒板に貼られた座席表によると俺の席は後方窓際だった。 しかもこのクラス――学校かもしれない――は女子が不足しているようで隣は空席。 かなりラッキーだ。 ガッツポーズもそこそこにかさかさとゴキブリライクなスタイルで移動完了。と同時に、おそらく担任であろう教師が教室に入って来る。 それから少しばかりして全員が廊下に並ばされ、入学式へと直行。 せわしないね。 ……ちなみに水輝の座席は同じ列の一番前だった。 ご愁傷様です。 ~~~~~~~~~~
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