不安定な第一章

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そして数時間後。 入学式とかなんやかんや(記憶が不明瞭)が終わり、再び一年四組。 朝教室に入って来たのと同じ教師が、改まって担任として自己紹介をしていた。 「あぁ、名前は栗原 三矢(クリハラ ミツヤ)。担当は世界史だ。ちなみに名前は三本の矢の話が由来になっている。ちなみに担任教師をするのは初めてだ。初めて同士、みんなヨロシクなっ」 わりとフランクな人だな…。まぁみんなこんなもん…なのか? 実際俺にアベレージが判る訳無い。 そもそも人としての平均ってどんなもんだよ。 「ヨロシクゥ!」 (…レスポンス?) まさかの栗原に対する挨拶に、俯いていた首をもたげる。 どうやら調子ものキャラらしい奴が立ってグーにして親指を立てた手を栗原に向けていた。 「あぁ、宜しく。…あぁ、君は池波 満(イケナミ ミツル)…だな」 さんずい多いな。 「大正解!さては名前覚えて来た?」 「あぁ覚えていたとも。君は危険人物だからね」 「………………は?」 「一年、六月に教室で転倒、窓ガラスを破壊。同年九月には深夜に出歩き補導を受けている。二年の五月には消火器を開栓、生徒指導を受けているな。その他にもまだまだあるが極め付けは理科室ボヤ事件。ガスバーナーの使用を誤り机に火が付き一日分全校の授業は停止……と」 「…………………」 クラス中から、ぽかーんと言うオノマトペが聞こえた。もしかしたら変な教師引き当てたかも、という声もちらほらと。 …何度でも言う。俺にアベレージが判る訳無い。 だから……。 「教師に軽口叩くな。後で、生徒指導室だからな」 「………あ……ぅ…」 止められる筈ないッス。 ご愁傷様………としか。 「よーし、じゃあ次みんなの自己紹介なー☆」 「…………………」byクラス一同 …………………絶句。 静まり返る教室で、「続けるのかよっ!!」と水輝の魂のシャウトが聞こえた、…気がした。
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