デェト

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追い込んだ・・・ニヤリ。 何かさゆりにそんな過去があるんは悔しいけど、でも、凄い好奇心が湧いてくる。 後、最近気付いたけど、さゆりはどうしようもなくドキドキしたりすると、自分の前髪を手でいじり顔を隠そうとする。 なので、今すっごい「どうしようもない」状態なんやろうなってのが伝わってきた。 「なぁ、うちにするみたいなキスは?」 「・・・どんな?」 「やからー・・・」 言おうとした時に、さゆりが動いた。 さゆりの上半身が座ってる私の体を覆い隠し、さゆりの腕は私の顔を挟み込むように抑制された。 「こんな?」 形勢逆転。 今度は私の胸が急速に高鳴った。 嗚呼、しまった。 獲物を狩る瞬間でも狙ってたかのように、さゆりの顔はズイッと私に近付いた。 「・・・実践してやってもいいけど・・・街中やから、ココまで止めといてやるよ。」 寸止めまででさゆりは私にそう囁き、意地悪な笑いを残して手を退けた。 「おおおぉぉ・・・ほんまにされると思ったぁぁぁ!!」 暑いはずの外の熱気が、冷たくなるほどに、体の熱が一瞬にして持っていかれた。 どんな怖い話よりも、効果絶大といった感じだ。
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