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さゆりは、明日こっちに帰って来る。
そして、その次の日からは進路相談の後半が開始される。
最近さゆりは、電話を切る前に必ず愛の囁きをしてくれた。
あんなに恥ずかしかった言葉が、今は凄く胸に染みて・・・早く受話器を通じない声で聴きたいなーーと・・・か・・・・・・す、すみません。思うと恥ずかしくて赤面してくるので、まだまだみやはみやでした。
恥ずかしいけど、嬉しい。
会いたいー。会いたいよー。
「みやちゃん。」
「何?我が弟よ。」
余韻に浸る間もなく現実。
「日記に書く事が無いから遊びに行きたい。」
「は?」
そんな事を唐突に私に言われても。
夏休みの宿題の日記帳らしきものを抱えて、しんご君が私のベッド脇に立っていた。
「たまにはお姉ちゃんに連れて行って貰いーやー。」
「お姉ちゃんなー、あかんって言ったもん。みやちゃん毎日うちに居るから一緒に行ってって言いって言ったもん。」
「・・・姉め。仕方ないなぁ。明日だけな。」
宿題に追われてると言ってるのに、弟の相手まで任されてしまった。
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