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「お前……何者だ?」
「何者って……ただの薬剤師さ。暗殺を生業にした………ね?」
僕は長い間旅をしていたが、こんな危険な旅は久しぶりだった。しかも目の前の相手は、ユーラスティア王国からの派遣員を殺そうとした。それが許せなかった。
「!!ミルディア様、コイツ……“白銀のギィラ”です!!ガルシア様が言ってた特徴と一致しますし……」
「確かに……お兄様の言ってた特徴と重なるわねぇ。けど、ギィラは私達側の者じゃないの?」
「……厚化粧で近寄るな」
ミルディアとかいう女は化粧が凄く、匂いも同じくらいきつかった。だが彼等に正体を知られた以上、俺自身が明かすべきのようだ。
「一つ教えてやる」
「「?」」
「俺は……“魔族と人間”の両親の間に生まれた、正真正銘の混血児だ」
それを聞いた瞬間、あいつら二人は気付いた様だ。俺の……正体について。
「お前……まさか!!」
「あの“闇の呪術師”と呼ばれる……ギィルバルディラ・ヴァスデリアか!!!!」
「たまに俺を……“銀狐”と呼ぶ奴もいる」
銀狐
その名前がついた理由は、俺の生まれつきの銀髪と能力が関係していた。
「父上と母上は、街の皆から嫌われていた。そんな二人の子供である俺も、勿論子供達から嫌われていた……」
俺は気にしなかった。
だって嫌われているのは、俺の力が危険だから。きっと制御できないと思われてるから、俺が強くなれば大丈夫と思っていた。
「ちょっと……何時まで昔話するつもりよ?」
「大丈夫……魔法陣は、とっくの昔に完成しとる」
二人の足元の魔法陣が光った瞬間、彼等の姿は消えてしまっていた。
「強制テレポート……完了」
「な……何?一体何が起きたの?」
「さ……さっきの人達は?」
彼等が消えたのが信じられぬのか、中からルークとリナが出てきた。
「アイツラは……一体何なの?」
「しかも……あの男の人、威圧感が半端じゃなかった」
「魔術士と魔造兵器……」
その言葉を聞いた瞬間、二人はポカンとしていた。ってか……俺の話、真面目に聞けぇーーー!!!!!!
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