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緋華は葵の肩にもたれた。
「ひ…緋華…?」
「…父上に会うのは怖い。まともに会話したことがないからな。」
葵は一瞬ドキッとした。
こんな小さな緋華は初めて見たからだ。
いつも強気で、意地っ張りで…
「…なぁ葵。私の何処に惚れた?私はこんな身なりだし、性格だって良くない。女として…最悪だと思うが。」
「そんなことねぇよ。緋華は可愛いし、意外と胸でかいし…」
「胸はどうでもいいだろ。」
「緋華は男なんかじゃねぇよ。ちゃんとした女の子だ。」
葵は微笑んだ。
ドキッ…
緋華は俯いた。
「すぐ顔赤くなるし。」
「うるさいっ。」
「俺は緋華が好きだ。緋華がどんな格好してても緋華は緋華だからな。」
「葵…」
緋華は葵を見つめた。
葵…
お前が大嫌いなんて嘘だ。
初めて会った時から…
お前は私を女として見てくれた。
私だけを見てくれた。
お前が…
いてくれたから私は…
私だってお前のこと…
緋華は葵に抱き着いた。
「緋華?!」
「葵…好きだ。」
「…えっ?」
「お前が好きだ。」
「緋華…」
「こんな事言って…私はおかしいか?」
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