第一章

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「女好き…か。」 ならば女の格好をすればすんなり入れるんじゃないか? しかしそこまでしたくない。 ふと隣の席に座っている女を見る。 どうやら友達同士で来たようだ。 話し声が聞こえてきた。 「ねぇ。聞いた?あそこの屋敷の人、今度宴を開くそうよ。」 「えぇ。お金持ちはいいわねぇ。」 「しかも女人大歓迎って貼紙が。」 「えぇっ。女なら自由に参加出来るってこと?!」 「そうよ。しかも影亘様の目に留まれば…妾になれるそうよ!」 「本当に?ずっとお金持ちでいられるわけ?」 「そうなのよっ。あんた、行くでしょ?」 「行く行く!で、いつ?」 「明日の晩よ。」 「わかったわぁ。」 緋華はしめた。と思った。 あの大名の目に留まれば…こんな楽な仕事はない。 緋華は急いで団子を流し込み、銭を娘に渡した。 「ご馳走さま。また来るよ。」 「いつでも来て下さいね。」 緋華は茶屋を後にした。 町へ行き、呉服屋を見回る。 なんとしてでも美しい格好をしなければ。 金は後で幕府に請求すればいい。 緋華は花柄の着物、蝶のついた着物など色々見て回る。
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