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「お待たせしました。」
影亘が部屋へ入ってきた。
緋華は小太刀をすぐ抜き取れるよう帯を少し緩めた。
「お待ちしておりました。影亘様、私を選んだ理由をお聞きしたい。」
「一目惚れ…と言ったら信じてくれますか?」
(…こいつ若いくせにいけしゃあしゃあと…)
緋華は一瞬殺意を覚えたが冷静になろうと自分の太股をつねった。
「あ…あははっ。影亘様って冗談も言うんですね。」
「冗談に聞こえました?」
「い…っ。」
影亘が緋華に近寄る。
緋華は思わず後ずさる。
顔もやけに近くもう緋華は限界に近づいていた。
「…かい…」
「どうしました?私が顔を近づけたから驚きましたか?」
「近いんだよ!!!!!!」
緋華は渾身の力で影亘を殴った。
影亘は部屋の襖を突き破り、廊下まで吹き飛ばされた。
「私をその辺の女子と同じだと思うな!」
緋華は小太刀を鞘から抜いた。
どうやら影亘は気を失っているようだった。
「ふん。男のくせに頼りがいのないヤツだ。」
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