第一章

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緋華は思い切り小太刀を振り落とした。 スパッ 首はいとも簡単に取れた。 血飛沫を出し、廊下は血まみれになってしまった。 緋華は今は首だけとなった影亘の髪を持つ。 「回収だ。」 小太刀を鞘にしまい、スタスタと歩く。 途中で、下っ端のモノ達と出くわしたが、誰もが目を伏せるだけだった。 誰も何も言わずただただ下を見ていた。 一人の女が主の首を抱えていることに誰もが気づいていたはずなのに。 それほどまでに影亘は悪行を働いていた。 緋華は屋敷を出るとまた暗い暗い闇の中へ消えていった。
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