第六章

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緋華は子供の緋華の手を握った。 「お前…母上に似てるな…言うことも…」 「光栄だ。」 「また…会えるか?」 「お前が望めばな。」 子供の緋華がにっこり微笑むと、緋華は目の前が真っ暗になった。 ―――― 「緋華!!!」 緋華は目を開けた。 目の前には葵が涙で顔がぐしゃぐしゃになっていた。 「緋華ぁ~!良かったあああっ!蛍さんに、緋華が倒れたって聞いて…俺…俺…」 「葵…」 葵がきつく緋華を抱きしめた。 いつもの緋華なら殴るところだが、今はやめておいた。 「葵…心配かけてすまない。」 緋華も優しく葵を抱きしめた。 すると急に葵が緋華を押し倒した。 「おい!こら!」 緋華は暴れたが、葵に両腕をしっかり押さえ付けられていて、身動きできない。 「貴様…退け!」 「緋華…可愛すぎっっ!今日、超優しい!抱きしめ返すなんて初めて!!」 葵が緋華にゆっくりと顔を近づけた。 「ねぇ緋華…お前ってさ…俺のこと…」 「や、辞めろ!!!!」
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