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「あんた達、イチャつくのは勝手だけど他所でやってくれない?」
蛍がジーッと二人を見つめている。
緋華は慌てて葵を蹴飛ばした。
「私は別にだなぁ…!」
「あーはいはい。それよりさ、緋華、あんたの母親ほったらかしにしといていいの?」
「あ…っ。」
「隣の部屋にいるから、話してきな。」
蛍は襖を開け、緋華に部屋から出るよう促した。
緋華は部屋から出た。
「なあ…蛍さん。緋華のかーちゃんって?」
「ん?あんた何にも聞いてないのかい?
あたしから言うのもなんだけどね…」
蛍は葵に今自分がわかっている全てを話した。
「緋華のかーちゃん…死んでんの?」
「そのはずなんだけどね。」
蛍は困ったような顔をした。
「緋華のヤツ…母親の顔が思い出せないらしい。」
「え?なんで?」
「さぁね。とにもかくにもアイツが母親の顔を覚えてねぇんじゃ、何にもわからないままだよ。」
(そっか…緋華のかーちゃんか…ってことは俺の義母になるってことだよな。)
葵は何か思いついたような顔をした。
「じゃー蛍さん、またね。」
「何処へ行く?」
「緋華のかーちゃんに挨拶しなくちゃ。」
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