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こうやって触れてみればわかる。
ひんやりとした蒼白な腕。
緋華はグッと涙をこらえ、母の瞳を見た。
「…貴方のお父様に吹き込まれたのです。」
「私の父…」
正直緋華は父が嫌いだった。
父は女である緋華を忌み嫌った。
母以外の女を女と見ようとせず、女では後継ぎに出来ぬと言われ一度も話した事はなかった。
「父上はまだ生きておられるのか?」
「えぇ。貴女を探しているわ。」
「今更何故…。」
「貴女が幕府に付いたと聞いてね…」
「私を利用しようと言うのか…っ」
緋華は心の奥底で何か沸々と込み上げる感じがした。
「貴女に…後継ぎになってほしいと…」
「ふざけるな!私はもう家を出たのだ!アイツとは関係ない!」
緋華はギュッと拳を握る。
「今更遅い。私は女を捨てたのだ。」
「どうして?!何故、女を捨てたのです?!母は貴女が美しい女性になるようにと…何度も言い聞かせたはず…それなのに!」
「母上っ!もう成仏してください…貴女はもう死んだ人間です!」
「私に…死ねと…言うのですね。」
「ちが…」
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