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緋華の力が強くなる。
上目使いで葵を見る目は少女にしか見えない。
葵は吹っ飛びそうな理性をかき集め、緋華を押し戻した。
「緋華、お前…本気で言ってんのか?」
「あぁ。」
葵は気が動転していた。
まさか緋華が自分を好きだと口走るとは夢にも思わなかった。
「…すまない。私としたことが…自惚れていたようだ。葵なら私を好きだと言うと。」
緋華は立ち上がり、葵から放れた。
「ひ、緋華!」
緋華は葵に手を引かれ、その場に倒れた。
「葵…っ。」
「自惚れてんのは俺のほうだ!緋華…俺の事…嫌いって…」
緋華はゆっくり起き上がる。
「…そんな…そんな事…っ」
葵はグッと緋華を抱きしめた。
「緋華、好きだ。本当…夢みたいだ。」
「葵…夢じゃないさ。私もお前のこと…」
「緋華…」
「葵…」
二人は口づけた。
綺麗な月の夜…
二人は結ばれたのだった。
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