336人が本棚に入れています
本棚に追加
本山氏を滅ぼした翌年、元親の台頭に危機を感じ始めた一条兼定は、義弟の安芸国虎と共同し元親を挟み撃ちしようと目論む。
一条氏は土佐中村に本拠を置き、安芸氏は安芸。対する長宗我部は長岡。今の南国市、高知市近郊に本拠を置いていた。
元親は国虎に、「和睦がしたいので、岡豊城に来て欲しい」との書状を送った。
だが、国虎は「無礼千万」と言い、受け取らなかった。
「殿、これは好機ですぞ」
「重俊か。これをなんと見るのじゃ」
「これを大義名分とするのです」
重俊は国虎の無礼な返礼を使って安芸攻めを正当化するべきだといった。戦国のご時世といっても、むやみやたらと戦をしていると周りから危険視され、無闇に敵を作りかねないからだ。
「なるほど・・・親政!戦の準備じゃ。目指すは安芸の無礼者よ!!」
親政はいきり立って叫んだ。
「おう!福留の荒切り、今一度、見せてやるぜぃ!!」
「フフッ・・・頼もしいのう」
そう言いつつ、元親は表へ出、大号令を放った。
最初のコメントを投稿しよう!