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「昨日、2階に居たら1階で物音がしたんで、
『買物に行ってたヤツが戻ってきたかな?』
と思って下へ降りてきたんだ。
そしたら、玄関のドアは開いてたんだけど、誰も居ない…。
よく見ると、近所の猫が入り込んでたんだな。
ところがそいつがなかなかつかまらない。
ちょっと掴むと、必死で引っ掻いて抵抗する。
この引っ掻き傷、見てみなよ。
そこで、窓を開けてやったんだな。
ところが追い回したけど、猫は窓を無視するんだね。
そして、そのうち、猫が玄関へ走ったんだ。
『やった、出てくぞ…』
そう思ったら、猫が変な行動をとったんだ。
玄関に降りるやいなや、ビタッと立ち止まって急に向きをかえたんだね。
そして俺の足下をぬけて階段上がって、2階の窓から屋根越しに逃げたんだ。
で、さぁ…。その、玄関での行動なんだけど、本当に変なんだよね。
何か、目の前に恐ろしいものでもいて、
あわてて引き返した…という感じなんだ。
俺に追いかけられるよりは、よほど怖そうだったよ。」
この話を聞いた茅野君は、
「その猫、何かに操られてたんじゃないかなぁ。」
と、コメント。
私は、その話の間も、廊下を猫が行ったり来たりしている様な感じがしていました。
「その猫はたまたまそうなっただけで、普段は生きていない猫がうろうろしているみたいだね。」
私がそういうと、すかさず茅野君は、
「うん、今も廊下をふっと影が通った様な気がしたよ。」
と、意見が一致。
しかし、大切なのは、さっきの茅野君のコメントです。
私は、茅野君の勘(感)を生かすつもりで、彼にたずねました。
「でも、本体は猫じゃないな。台所へ行ってみる?」
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