二十夜[おじゃま道草~1~]

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そして、私がテーブルの上の写真を片付けようとすると… 「何写したの?」 「お化け…じゃ。」 「へぇーー、どれ?見せて……家?…お化け屋敷?」 そのうち、私と大輔とのやりとりを見ていた榎本君が身を乗り出してきました。 「見せてもらっていいですか?」 彼が写真をめくっている間に、 大輔が彼について教えてくれました。 学生の頃の剣道部の仲間だそうですが…何と…彼は霊感が強く、 それを見込まれ、密教系の寺院でアルバイトをしている…という変り種だそうです。 彼によると… 「こういう赤いのって、神仏の罰てぇことがあるんです。 強いなあ…。 うかつなことは言えないので、 これ、2・3日預っていいですか? 師匠に相談して見てもらいます。 僕だったら、ただですから…」 ネガがあるので茅野君には焼き増して見せればよい、 ということで、私は例のカットの他、 数枚を榎本君に預けました。 榎本君は遅くまで飲み、その日は一泊して帰りましたが、 大輔は馬場君の家に興味を示し、翌朝… 「今日、茅野さんと馬場さんの家に行くんだろ?俺、明日も休みだからつきあうよ。」 と言いだしました。 「あぶねぇぞ…憑かれるぞぉ~。」 「武道やってるからかも知れないけど、おれ、そんなの平気だよ。」
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