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始まり
(プロローグ)
「俺達はもう会えないのか。お前は俺に〝また会おう兄弟と言ってくれた〟あれからずっと待ってる。お前が帰ってくる事を。」
子供の頭を撫でながら誰かが言った。
「父さんは友人に会いたいの。」
子供は言う。
「そうだな。」
「なら会いに行けばいいじゃない。」
「会いたくても会えないのさ。父さんの友達は手の届かない所にいるから。」
「世界を統べる人でも届かないの。もしかして死んだの。」
「死にはしないさ。父さんの友達は強いから。」
「どんな人だったの。」
「昔話をしようか。父さんが出会ってその人と別れるまでを。」
その時だった。作業員が報告に来た。
「報告します。例のプランの用意ができました。」
「ごくろう。ちょっとプランの予定時刻を遅らせて。」
「かしこまりました。」
視線を子供に向け真剣な顔をした。
「さて話をしようか。」
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