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夕陽が沈み始めた町並みは、道に影を落とす。
林を抜け、神社を出た巧は、初めての地で迷わぬようにもと来た道を通って帰る。
少女「ランニングって、1日どれくらい行くの?3km!?4km!?5km!?」
タクミ「………」
巧は質問攻めに遇っているにも関わらず、無言のまま歩き続ける。
―――なんで着いてくんだ
滅多に女子とは関わらない巧は、あから様に不機嫌そうな顔をしている。
それでも尚、少女は巧に興味津々に喋る。
少女「あ、原田君は中学、新田東に行くんだよね?やっぱり部活動は野球部だよね?
これからは原田君の投球毎日、間近で観れるのねぇ…」
タクミ「…は!?」
少女の妙な発言につい反応してしまった巧。
少女はきょとんとした顔で巧を見る。
タクミ「わざわざ部活観に来る気か!?」
少女「?もちろんですよ?だって貴方の球に一目惚れしたんだもん。大会だって、原田君が投げる試合は全部しっかり、観に行ったもん!」
タクミ「!!!」
さすがの無頓着で冷静沈着な巧でも、動揺した。
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