第1話 桜の雪

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なんだかんだと言いながらあっさり了承した巧。 タクミ「…お前名前は?」 少女「えっ」 少女は巧が何を言ったのかよく理解できず、疑問符を投げ掛ける。 タクミ「名前だよ。なまえ」 サクラ「あっ、さくら!片桐 さくら(カタギリ サクラ)っていうの! 家結構近いのよ。それにうちのおじいちゃん、原田君のおじいちゃんと知り合いなんだって」 タクミ(関係ないだろ。聞いてないし) サクラ「じゃあね。10時だよ!忘れないでねっ」 そう言って、さくらは巧に手を振って別れを告げて行ってしまった。 巧はそれをぼーっと見届けた。 ―――これで   思いきり投げられる! そして自然と口に弧を描き、喜びを露にした。 **  ―――井岡洋三―――  甲子園出場春4回・夏6回  新田高校野球部の名監督  14年前監督をやめてから  新田高校の甲子園出場はなし タクミ「なんで教えてくれなかったんだよ、じいちゃんのこと」 今晩必要な分の荷物を解きながら、一緒に居る父親:広(ヒロシ)に問いかける巧。  
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