第1話 桜の雪

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タクミ「勝って当たり前のチームで行くより、『原田がいたから行けた』って言われる方が面白いじゃないか」 広「………!」 タクミ「風呂、入ってくる」 巧は妖しい笑みを見せ、タオルと着替えを持って部屋を後にした。 広はただ呆然と巧の居なくなった巧の部屋で、立ち尽くしていた。  ガチャ 風呂の戸を開けた巧は、中の湿った熱気に襲われる。 だが、巧は苦に思わなかった。 逆に心地良いと思った。  ザアァァァァ タクミ「ふぅ―…」 シャワーを浴びて深く息を吐き出した。 明日の楽しみで胸がいっぱいで仕方がなかった。 ―――やっと投げられる 安心が巧を包み込んでいた。 + セイハ「兄ちゃん。なんか良いことあったん?」 夕食を済まし、自室に向かおうとした巧を青波が止めた。 セイハ「誰かとしゃっべっとたんじゃろ?」 巧は驚きに目を見開き青波を見つめる。 セイハ「なっ、途中で誰かに会うておしゃべりしとって、帰りが遅うなったんじゃな」  
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