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セイハ「だって良いところじゃろ?これからスゴい楽しみで仕方ないんじゃ」
巧と違って、達者に新田の方言を使って話している。
タクミ「…早く中入れ。また熱上がるぞ」
セイハ「大丈夫じゃけん」
青波は生まれつき身体が弱く、よく熱を出したりすることが多い。
夜中の咳も毎日のようにあった。
同じ部屋の二段ベッド上で寝ている巧より、母が心配して来る。
そのため母は過保護になってしまっていた。
セイハ「もう具合悪くならんもん。ママがここの方が空気がキレイじゃって言うてたから、大丈夫じゃけん」
タクミ「そうか」
巧は青波に対して興味も関心もない。
だから素っ気なく返して、家に入るよう誘導した。
祖母を数年前に亡くし、今は一人暮らしをしている祖父は、巧達を喜んで迎えてくれた。
今日から母の実家、祖父の家で暮らすのだ。
*
祖父「よぉ、大きくなったのう、巧」
タクミ「…………」
ランニングしようと、ジャージに着替え、キャップ帽を被り外に出た巧。
庭から祖父に話しかけられても、興味を示すこと無く、振り向くだけ。
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