第1話 桜の雪

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ピッチャーが投球体勢に入る。 ザッ… ――インコースの直球 0.1秒程で球筋、球種を読んだ。 ――なめんなよ! 俺は球筋に合わせた軌道でタイミング良くバットを振った。 はずなのに………… スィッ… ――――…え!? ザッ……ドタッ 『ストライク!バッターアウト!』 勢い余って尻餅をついて転けた。 それと同時にコールが後ろで響いた。 バットを放り投げ、俺に投げ勝ったのをチームと喜んでいるピッチャーを睨んだ。 ――手元でわずかに沈んだ……!? ――シンカー!? ――俺が投げられない球を、他のヤツが投げられるなんて 「チッ……」 ――ちくしょう……!! ―――…… 洋三「あれがシンカーに見えたか?アンダースロー気味のフォームじゃったじゃろ。 インの直球なら自然に沈むこともあるぞ」 タクミ「シンカーだよ!絶対!!」 巧は拳を握り締め、大声を張り上げた。 タクミ「“俺”が三振したんだ!投手としての実力なら俺の方が上だ!」 悲痛な表情で淡々と続ける。  
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