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ピッチャーが投球体勢に入る。
ザッ…
――インコースの直球
0.1秒程で球筋、球種を読んだ。
――なめんなよ!
俺は球筋に合わせた軌道でタイミング良くバットを振った。
はずなのに…………
スィッ…
――――…え!?
ザッ……ドタッ
『ストライク!バッターアウト!』
勢い余って尻餅をついて転けた。
それと同時にコールが後ろで響いた。
バットを放り投げ、俺に投げ勝ったのをチームと喜んでいるピッチャーを睨んだ。
――手元でわずかに沈んだ……!?
――シンカー!?
――俺が投げられない球を、他のヤツが投げられるなんて
「チッ……」
――ちくしょう……!!
―――……
洋三「あれがシンカーに見えたか?アンダースロー気味のフォームじゃったじゃろ。
インの直球なら自然に沈むこともあるぞ」
タクミ「シンカーだよ!絶対!!」
巧は拳を握り締め、大声を張り上げた。
タクミ「“俺”が三振したんだ!投手としての実力なら俺の方が上だ!」
悲痛な表情で淡々と続ける。
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