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「……――っ!?!?」
その一言に香保里は顔を真っ赤に染め、口をパクパクとさせる。頭を振って頼子を見たが、そんな可愛らしい反応をした香保里に頼子は楽しそうに笑った。
「顔に出すぎ! へぇ、片山をねぇ。しかも今ので自覚したんだ」
子供を見るような微笑ましげな目で頼子は香保里を見る。そんな目で見られた香保里は落ち着きなく視線をさ迷わせた後、へにゃりと真っ赤な顔で困ったように笑った。
「そうなのかなぁ……?」
ぎゅうっと袖を掴み、不安そうに頼子を覗き込む。嬉しいようで、気恥ずかしい。なんだか不思議な感情が香保里の胸に灯った。
(……好き……?)
天気はまだ曇りのようだ。
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