二話 違和感

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「もう少しかかるから退屈でしょ?歌の練習して待ってて」 嫌です……とは言えない。 しかたなく、違和感を抱えたままマイクに手を伸ばし、女の子と一緒に曲を選ぶ事になった俺。 因みにこの女の子は“トモヨ”と言う。 カラオケBOXではなく、カラオケカウンターと化した場所で歌を選ぶ二人。 俺は歌うのがすこぶる好きであった為、練習しろ……と言われなくとも、既に客の居ない時間や閉店後にはよく歌っているのだ。 今更、妙な違和感を抱えたまま楽しく歌う事等は不可能に近いが、勤務時間を終えたトモヨは上機嫌。 「チーフあれ歌ってよ」 等と、カラオケのノリを押し付けてくるのだ。 煩わしい……
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