二話 違和感

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その時、ママがカウンターにやってきた。……一人で。……笑顔で。 違和感を感じる── 「ちょっとあんた達、カラオケの練習しなさい」 ママが言ったのは、突拍子の無い指示であった。そしてこう続けた。 「こっちの話が終わったら、ご飯食べに行こうよ」 店が終わって飯を一緒に食いに行く事は珍しくはない。 客のアフターに付き合わされる事も多かったので、閉店後にすぐに帰宅出来る方が少ない位だった。 ちなみに余談だが、俺をアフターに誘う客は男である。 二軒目を楽しむ為に、俺を連れ出すのだ。 無論何かを求めている訳ではない。 意味がわからない──
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