15人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ…良太」
聞こえなかったのか、返事はない。
「良太!」
教室内に沈黙が走る。
「…な、何? ……えと、神永さん」
驚いた風に良太は大花に向き直った。
周りからひそひそと話し声が聞こえる。たくさんの視線も感じる。けど、気にはならなかった。
「…アンタ、どうして…ここにいるの…」
大花は小さめの声で呟いた。
「…え? 何、聞こえなかった」
「どうしてこんな所に…何で生きてるの!」
周りが今の一言でさらにざわつく。
「生きてるって…まるで僕が死んだ人みたいじゃ…」
「死んだんだよ…」
大花はまた小さく呟く。周りの空気が一瞬凍りついた。大花は続ける。
「アンタは三年前…私の目の前で自殺した」
「…えっ?」
最初のコメントを投稿しよう!