15人が本棚に入れています
本棚に追加
「…僕が…自殺…?」
先程から教室内の空気は凍ったままだ。
「おかしいよ…何でまた私の目の前に…」
大花は俯いた。そのせいで男子達には大花の表情が見えない。
「…おかしいのはアンタだ、神永さん」
ポツリと呟いた良太の一言に、大花は顔を上げた。
「どんな事情か知らないけど、何で僕のこと知ってんのかもわからないけど……僕は生きてるよ。今まさに」
少し複雑な表情で、半分呆れた声で良太は答える。
「…確かに…大丈夫か? アンタ」
隣の男子が半笑いで大花を見た。
大花はそれを無視してまた俯いた。
「どんな事情か、知らない…? 何で自分を知ってんのかわからないって……?」
声がどんどん低くなっていく。
そして顔を上げた時には、明らかに怒りの表情だった。
「ふざけんのも大概にしろ、お前!! さっきから…」
「ちょっと! ストップ!! ストーップ!!」
今にも殴り掛かりそうな大花を、後ろから麻美が抑えた。
「…放せ! 麻美!」
「ちょい待ちっての! やっと追いついたと思ったらこんなこと…」
尚も暴れる大花を、麻美が懸命に抑え続ける。
「ちょっと…取り込み中、いいか」
良太の脇に立つ男子の一人が口を挟む。
最初のコメントを投稿しよう!