2 矛盾

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「…アイツ」 大花は怪訝そうに良太の顔を見た。 「ああ…なんつーか、さ…コイツ、そんなに悪い奴じゃないからさ、友達にくらいなってやってくれよ」 大花と麻美の前で止まる。 下からは絶えず「いででで」という悲痛な叫びが聞こえる。 「もちろん僕も一緒に…ね」 ぎこちなく笑う。 「……」 大花は口を開かない。 「ねえ大花、返事は?」 麻美は黙っている大花の肩を揺する。 「…ああ、別に構わないけど」 「マジで!?」 大花が答えた瞬間に彼は立ち直った。 「勘違いするなよ、今始まったのは友情だ」 良太が後ろから釘を刺した。 「いや、うん…わかってるさ…。それより! オレ、天宮快晴(かいせい)!! よろしく、木下麻美さん!!」 爽やかに挨拶した…今度は麻美に。 「へっ? 私!?」 あからさまに嫌そうな顔で麻美が言う。 「幸先悪いね、お互いに」 良太は苦笑して麻美と快晴を交互に見た。 「……ハァ」 窓の外を見ながら、大花は深く溜め息をついた。
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