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「…アイツ」
大花は怪訝そうに良太の顔を見た。
「ああ…なんつーか、さ…コイツ、そんなに悪い奴じゃないからさ、友達にくらいなってやってくれよ」
大花と麻美の前で止まる。
下からは絶えず「いででで」という悲痛な叫びが聞こえる。
「もちろん僕も一緒に…ね」
ぎこちなく笑う。
「……」
大花は口を開かない。
「ねえ大花、返事は?」
麻美は黙っている大花の肩を揺する。
「…ああ、別に構わないけど」
「マジで!?」
大花が答えた瞬間に彼は立ち直った。
「勘違いするなよ、今始まったのは友情だ」
良太が後ろから釘を刺した。
「いや、うん…わかってるさ…。それより! オレ、天宮快晴(かいせい)!! よろしく、木下麻美さん!!」
爽やかに挨拶した…今度は麻美に。
「へっ? 私!?」
あからさまに嫌そうな顔で麻美が言う。
「幸先悪いね、お互いに」
良太は苦笑して麻美と快晴を交互に見た。
「……ハァ」
窓の外を見ながら、大花は深く溜め息をついた。
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