2 矛盾

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「じゃあここ…そうだな、神永、答えてみろ」 「…aもbも2です」 クラスから小さな歓声がわく。他の生徒が何人か詰まった後、大花が難なく答えてしまったからだ。 「お、なかなか出来るな神永。そう、ここは…」 先生が続いて解説を始める。 その様子をボーっと眺めていると、後ろから肩を叩かれた。 「ちょっとアンタ、教えられたばかりなのに何であんなあっさり出来ちゃうワケ?」 麻美はどこか悔しげに囁いた。 「…そうか? わかれば簡単だぞ、アレ」 特に振り向かずに答える。 「アンタ…頭いい?」 「自信あるのは数学と英語ぐらいだよ…他はてんでダメ」 深く溜め息を吐いて時計を見る。 後三十分もこんな退屈な授業を聞かなくてはならない。 そう思うと、不思議とやる気が削がれる。 ふと周囲を見回すと、偶然良太と目が合った。 特に表情を作るでもなく見つめる。 …その視線、その表情に違和感を感じた。 「昼飯!! 食おうぜ!!」 良太を引っ張ってきた快晴が、コンビニ弁当を突きつけてきた。 「…別にいいけど…」 少し押され気味に返事をする。 「よし! 隣の席借りよ。ほら、突っ立ってんなよ良太!」 「お前…行動力ありすぎ…。神永達が迷惑じゃなきゃ甘えるよ」 快晴の手を振り払って控えめに尋ねる。
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