2 矛盾

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「いいって言ってるだろ…座るなら座れば」 大花は既に弁当を食べ始めていた。 「なら遠慮なく」 良太もどこかから椅子を引っ張ってきた。 「……」 当然のように、しばらく空気が沈黙する。 重い空気に耐えかね、最初に快晴が口を開く。 「…あの、さ、何か会話しようぜ」 「そ、そうね…んじゃここはベタに、入りたい部活で盛り上がろうか」 麻美もそれに乗っていく。 「僕は…そうだな、テニスぐらいが妥当かな。楽しそうだし」 良太が自然な笑顔で答える。 「オレは当然野球だ! 春休みから仮入部になってるし」 快晴が自信ありげに言う。 「んー、私は吹奏楽…うーん、美術もいいなあ…。大花はどう?」 ある程度悩んだ後、麻美は大花に尋ねた。 「別に…考えてないけど」 空気が一瞬凍った気がする… 「な…何だよ、いいじゃん、興味ないんだから」 「はあ……アンタ、つまんない女だわ」 麻美が長く深い溜め息を吐いた。 「うるさいなあ…強制じゃないんだからいいだろ」 昼休み中続くこの微妙な会話を、良太は無表情で見守っていた。 さっきまでの良太ではないような表情で。
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