3 家族

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「おっはよう、大花!」 「ああ、麻美か…おはよう」 大花は眠そうに呟いた。直後にあくびをかます。 「何よ、そんな眠そうに…しっかり寝てんの?」 お構いなしに背中をバンバン叩く。大花は小さく「いて」と唸って前のめりになった。 「そういうアンタは、何で朝っぱらからそんな元気なんだ」 少し機嫌を悪くして、また歩き出す。 「いやあ…まあ、そりゃいろいろあるわよぉ…」 不気味な程の含み笑いを浮かべる。 大花は麻美から目を背けて歩き出した。 「何なのよ…相変わらず辛気くさい奴…」 最後に悪態をついて、黙ってついて来た。 「よし、次…天宮! ここの『ぬ』の文法的意味を答えろ。基本だぞ」 古典の授業。先生は次々に生徒を指していき、快晴が当たった。 「はあ? 何すかそれ…文法的ってどういう…」 快晴が逆に質問を返す。 快晴は見た目からして勉強が出来る奴には見えなかった。 「もういい…復習はしておかないと、これからどんどん置いてかれるぞ」 先生は聞くのを諦めて一人で解説を始めた。 当の本人は笑顔で周囲と会話していた。 大花はそれを複雑な表情で見ていた。
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