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羨ましいのかも知れない。問題を解けなかったのに、何で不安にならずに笑顔でいられるのか。
イラついているのかも知れない。何故わからなかったのに平気な顔をしているのか。
他の生徒に関しても。中学の時から大花はいつだってそれを他人顔で見ていた。
自分は出来る。なら、出来ない奴ならどうするか。
逆に、自分は出来ないのに周りはみんな出来る。それなら自分はどうするだろう…
「…か! 大花!」
はっと目が覚める。
「やっと起きた…もう四時間目も終わったから、今から飯だぞー」
いそいそとパンを用意する麻美。
「やっぱりアンタ…今日元気だよね」
目をこすりながら弁当を机に出す大花。
「そーお? まあ朝からいいことあったからね。その話は後程、全員が揃ってから」
「全員?」
笑顔でパンを頬張る麻美を、大花は訝しげに見つめた。
「ちぃーす! お二方!」
また快晴が良太を引っ張ってやってきた。
「来た来た」
「全員って…結局この四人か」
言って、大花も弁当に手を付け始めた。
「嫌ならアンタが友達引っ張って来なさいよ」
あからさまに文句を付けられた。
「…考えておくよ」
適当に返して終わりにした。
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