神の記憶

00 「神」の記憶

ちょっと急ぎすぎたな…
転生の時期まで三ヶ月も余った。

……うん。去年までの記憶は消えてるからわからないけど、今年は良かった。

いい奴らに出会えたことさ。
多分だけど、今までで一番充実したんじゃないかな。

うん。……さてと、これから相当ヒマになるだろうな。
何か娯楽を探さないと。

あ、それから父上。
この本はもう返すよ。しばらくは意味無くなるから。

それじゃ、また三ヶ月後。

………

『神の定義』
God

「神」。

「神」は産み落とす。新たな生命を、空から地上に。

そして「神」は世界を、人間を見下ろす。

見守るように、ではない。まるで檻の中の生き物を監視するように。

中略

「神」は全ての人間を監視している。

「神」は道理を外れた人間に天罰を下す。

「神」はそれゆえに絶対的な力を持つ。

「神」を冒涜した者、「神」に仇なった者の末路。それは容易に想像出来る。

「神」はこの世界を空から束ねている。

「神」は絶対の存在。

中略

偉大な「神」が産み落とす「神」の子。

「神」の子は一定の月日で生まれ変わることが出来る。

「神」の子の転生。
それには条件がある。

「神」の子に近しい者数人の死。それが転生の条件。