3 家族

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『ただいまー。今日も疲れたぁ』 父が帰ってきた。 『お帰りお父さん! ねえ、これ見て!』 父が居間に入ってくるなり、私はテストを持って寄っていった。 『…ん? おおっ! すごいな、よく頑張ったな大花』 父は私がいいことをすると、必ず頭を優しく撫でてくれた。 『どう? 今度の休みに三人で遊園地に行くっていうのは』 母が父に提案した。 『そうだな…それはいい!』 父は少し考えて、はっきりと頷いた。 今日は金曜日。ということは明後日が遊園地。 私はその日、興奮して寝付けなかった。 土曜日。 朝から父は車で仕事に出掛けた。なので、今は母と二人だ。 『さーて、材料も無くなってきたし、買い物行きますか。大花は家で大人しく待てる?』 家事を一通り終えた母が、私に告げた。 『……うん。待ってる』 少し考えた後、私はしぶしぶ答えた。 『じゃ、待っててね』 それからしばらくして、母は家を出た。 『遅いなぁ…』 夕方になった。母はまだ帰ってこない。 この時は、もうすぐ帰ってくるって思い続けていた。 夜の八時を回った。父も、母すら帰ってこない。 『何で…何で? お父さん、お母さん…』
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