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私はただ誰もいない家の真ん中でうずくまり、待つしかなかった。
いるハズの二人がいない空間で。
私は翌日の夜におばあちゃんの家に引き取られた。
楽しかった。
幸せだった。
思い切り笑えていた。
嫌なことなんて何一つ知らないみたいに。
大好きだった。
幸せだった。
お父さんとお母さん、二人がそばにいただけで幸せだった。
嫌いになった。
あの日を境に、両親のことが嫌いになった。
いきなり私一人を置いてどこかへ行ってしまった両親が大嫌いになった。
していた約束を破った両親が大嫌いになった。
いっそ私もいなくなってしまおうと思った。
何度も死のうと思った。
でも死ねなかった。
隣にはいつも良太がいた。
良太だけがいてくれた。
良太だけが心の支えになっていた。
良太だけが生きる理由だった。
良太が大好きだった。
その数ヶ月後、良太は私の目の前で自殺した。
結局、昼休みは空気が重いまま終了した。
麻美は終始、大花達に「ゴメンね」と謝り続けていた。
考えたら何も、私はあんなこと言わなくても良かったんじゃないか。良太みたいに黙秘すれば良かった。
私もつくづくガキだなと思った。
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