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しかし、とっくにアイツは見失ってしまった。
アイツの家まで行くのも無理な選択肢だ。
何故なら、神田良太の家は以前のままであったら県外にあるからだ。
大花は小学校卒業とともに県外に引っ越した…というより、母方の実家に身を寄せた。通学に楽だからという理由が強い。
だから小学校だけの付き合いの神田良太のことはもうわからなかった。
だから、たとえこの近くに引っ越して来ていたとしても、神田良太の家を大花は知らない。
「…もういいや、一緒に帰ろう」
これ以上は無理だ。大花は渋々告げた。
「やった! じゃ、とっとと帰ろ!」
麻美ははしゃいで、大花と並んで歩き出した。
それにしても、麻美は私に馴れ馴れし過ぎやしないか? 大花は密かに思った。
「神」。
偉大な「神」が産み落とす「神」の子。
「神」の子は一定の月日で生まれ変わることが出来るという。
「神」の子の転生。それには条件があるという。
「神」の子に近しい者数人の死。それが転生の条件。
そのような「神」の所業がいつから行われ始めたのか、現在行われているのか、全てが謎に包まれている。
………
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