1 遭遇

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母方の実家、いわゆるおばあちゃん家に帰ってまた大花は考え始めた。 どうしても納得がいかない。どうしようもない葛藤が頭に渦巻いて落ち着かない。 とりあえず明日の準備をする。 「お帰り大花ちゃん。帰ったならおばあちゃんに声かけてくれたらいいのに…」 後ろからいつの間にかおばあちゃんが覗き込んでいた。 「…あ、ゴメンおばあちゃん。ただいま」 とりあえず挨拶を返し、配られたプリントを一枚一枚見ていく。 「大花ちゃんも大変だよねぇ…あんなことがあって辛いだろうに」 おばあちゃんはいつもこう言う。今のところ私の境遇を知るのはおばあちゃんだけだ。 「…ううん、もう慣れた。去年までずっとおばあちゃんと二人きりだったし…」 おばあちゃんには中学に入る前の、春休みからお世話になっている。 最初の一年は家事を丁寧に教えてもらいながら手伝い、二年目からは一人で大抵のことは出来るようになった。 それが出来なきゃダメだと子供なりに悟ったからだ。 おばあちゃんは日に日に体が弱くなっていく。孫の目から見ても、もう長くないことはわかった。今は昼に病院に通院しているらしい。 おばあちゃんが一人になったら…私は一人になる。 誰も…助けてくれる人はいなくなる…
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