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「お友達は出来たかい、大花ちゃん」
弱々しく、でも明るくおばあちゃんは尋ねてきた。
「ん…うん、一応…」
大花は出来る限りの笑顔で答えた。
おばあちゃんは「そうかい」と笑顔で呟いていた。
私に出来ることはないだろうか。私がおばあちゃんにしてあげられること…
「おはよー大花」
「あ、うん…おはよう」
後ろからいきなり名前を呼ばれて、大花はビクッと震えて振り向いた。
「何よ、元気なさげじゃない」
「…別に」
大花は生返事で返した。
構っているヒマがなかった。朝の内に見つけて聞き出さなきゃならない。
神田良太。何故ここにいるのか。
後ろから「冷たい奴」とご機嫌斜めな声が聞こえたが、無視した。
結局教室まで来てしまった。
教室を見回すと、既に神田良太が数人に囲まれて席に座っていた。
様子からすると、もう友達が出来たようだ。
大花は自分の机に鞄を置いて、すぐさま目的の机に近づいた。
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