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暗い、暗い――
醜い世界の中で兎輪は唯一愛しく想えた存在だった。
小さく、俺と違う異なった身体。
俺をみつめた大きな瞳。
俺の名を呼ぶ、唇。
「――愛しい、俺の兎輪」
疲れ、眠った兎輪の髪を撫でる。
手の届く中で兎輪を『監視』出来る嬉しさと安心感についつい笑みが零れる。
逃がさない。
心まで、掴んで。
束縛して、離さない。
終焉のコールなんか存在しない。
兎輪と俺はここから始まるんだ。
、
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