天下分け目の大決戦

7/19
前へ
/710ページ
次へ
鬼(美鈴)に見つからずに家を脱出した2人はスーパーに来ていた。 煌斗「野菜はこれでいいのか?」 綾乃「うん。冷蔵庫に残ってた使いかけの野菜も活用しないとね。ほとんど鮮度は落ちてなかったし。」 煌斗「なるほど・・・。」 家庭的な綾乃に感心しつつ、魚介売り場をスルーして肉売り場へ。 もちろんカートを押しているのは煌斗だ。 綾乃「あ・・・。」 綾乃の目に1組の男女が映った。 20代前半で2人の薬指には指輪がはめられている。 その楽しそうな様子を見ると、どうやら新婚さんらしい。 幸せな光景に見とれていた綾乃だったが、ふと思い、顔を赤らめながら口にする。 綾乃「・・・ぁの///こうして買い物とかしてると・・・その、ししし新婚・・・。」 煌斗「おっ、この肉なんかいいんじゃないか?」 全く空気の読めない煌斗は特売のシールが貼られたパックを綾乃に見せた。 綾乃「え・・・?あ、うん。あっでもこっちの方がいいかも。」 煌斗の鈍感さは今に始まったことではない。 もう慣れた。 平静を装い、2つ隣のパックを手に取る。 綾乃「ほら、こっちの方が色とか油ののり方がいいでしょ?」 煌斗「おぉ・・・確かに。」 煌斗は納得し、綾乃から受け取った肉のパックを買い物かごの中に入れた。
/710ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1464人が本棚に入れています
本棚に追加