はじまり!

2/5
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
  「えーと、あたし何でこんなとこにいるのかなー。ここあたしの部屋じゃないし、第一さっきまで学校で授業受けてたよ。はっ、まさかテレポーテーションっ?!」   「…、君。目覚めた途端独り言?」   「うっわ、すっごい美形少年略して美少年!君は誰でここはどこデスか?」     はぁ、と心の底からのような溜め息をついてその美少年は席を立つ。今更だけどあたしは保健室のような真っ白いシーツのベッドに寝かされていて、全く状況がのみ込めなかった。     「僕は佐倉恭弥。君は廊下に倒れていて、それを見つけた僕が保健室まで運んだ。…これで満足?」    「満足じゃないデスよ!第一ここはどこデスか?」   「君、人の話聞いてた?ここは保健室だって言っ」   「保健室以前の問題っ、ここは、どこ?」     何こいつ頭おかしいんじゃないの、的な視線をよこして佐倉恭弥と名乗った美少年は「桜魔法学校に決まってるじゃないか」と。へぇ、桜魔法学校ね、魔法学校…。     「魔法学校っ?!は、何ここ魔法学校?!」   「当たり前だ。第一君は誰なんだ?制服もここの学校の物ではないみたいだし、さっきから話がおかしい」     恭弥(って名前かっこいいなぁ)はあたしを鋭い目で見る。そういえば恭弥は名乗ったのにあたしはまだ名乗っていなかった、だってそれどころじゃなかったから。         「あたしは哀川梨麻デス。ええと、校長先生に会えたりとかしちゃったりしません?」         それがファーストコンタクト!        
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!