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プロローグ
この世界…テンストには様々な種族がいる。
人間・獣人・鬼人・岩人・エルフ・巨人…など、数えだしたらキリがないだろう。
亜人(人間以外の種族)は能力を持っている。
その能力は…系-~と表す。
例)操炎系-蒼炎
人間は亜人のように能力が使えない代わりに武術を極めた。
人間は大きな王国を持っており、その周りを囲むように各種族が暮らす里がある。
昔から多大な統率力を誇っていた人間は、周りの里と同盟を結ぶことで自分の力を誇示していた。
しかし、今から11年前…
何者かによって人間が大量に殺されるという事件が起こった。
いつの間にか隣人が殺され、家族が殺され、愛するものが殺され、気付けば自分が殺されていた。
何時、何処で殺されるかわからない人間は『自分達を殺す存在』に恐怖した。
その勢いはとどまる事を知らず、国王が対策をとる余裕を与えず2年以上の月日が経った。
そして、人間は絶滅寸前まで追い詰められた…………が、急に殺人が終わったのだ。
まるで、目的が達成されたかのように……
しかし生き残った人間達には、悲しみにくれる暇も与えられなかった。
元々能力がなく統率力のみで力を成り立たせてきた人間達は、同盟を打ち切られ、王国を追い出され、軽蔑の対象となったのだ。
これも亜人を差別し、権力を振りかざし、そして強欲の限りを尽くした人間の成れ果てなのだろう。
『人間の辿る道』著者:黒修羅より一部抜粋
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